出会い、デート

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出会い、デート

「こんにちは、君が''かなちゃん''かな?」 スラッと背の高い少しチャラい感じのファッションに身を包んだ彼が私の前に立った。 (えぇーこんなカッコいい人とデートするの⁉︎ レンタル彼氏を頼む時に恋愛経験0の私でも接しやすい人ってお願いしたのに…) 漫画家志望の私は書いては応募や出版社へ赴き持ち込んだ作品を読んでもらう毎日を送っていた。 そんな時、ある出版社の人に「次は恋愛漫画を持ってきてほしい。その作品が良ければ考えます。」と言われ書いてはみたものの…恋愛経験0・デートすらした事のない私はイメージすら出来ず最終的に頼ったのが冒頭の【レンタル彼氏】の一件になる。 そんな事を考えてぼぉーとしたままの私を彼は心配そうに「大丈夫?」と言いながら私を覗き込んだ。 (大丈夫です!!きょ…今日はよろしくお願いします。)そう言うだけで精一杯の私に自己紹介を交えながら彼が話した。 「そんなに緊張しないで‼︎''ナオト''です。 よろしくね。」 それじゃあデート開始♡歩こうか?…と柔らかい笑顔を向けたナオトさんと歩き始めた。 私の緊張が伝わるのか終始優しくて話しかけてきてくれる。 緊張は解けないもののナオトさんが優しく話しかけてくれ考えてくれたデートプランを一緒に過ごしているうちに対面した時よりいくらか緊張が解れてきた頃、お茶をするのにカフェへ入る事になった。 それぞれ注文した物が揃いナオトさんがそういえば…と思い出したように「かなちゃんは漫画家さんを目指してるんだってね?」と私に問いかけた。 (あれ⁉︎私ナオトさんに''夢''の話したっけ?) 混乱してすぐに返事が出来ないでいると続けて「とっても素敵な夢があって羨ましいよ。」と微笑みながら言ってくれた。 混乱していた筈が誰からも''夢''の事を褒められた事がない私はとても嬉しくなりそこからは漫画家を目指した理由やお互いに好きな漫画の話など…緊張が嘘のように話せた。 どのくらい話しただろう…漫画についてあれこれ喋っている内に緊張も混乱も無くなりさっきまでが嘘のように話せた。 話しているとナオトさんとは音楽・好きな映画に好きな食べ物まで色んな好みが似てる事もわかり、今度は映画や食事にも行こう…と盛り上がった。 最後のプランだったカフェでのお茶も色々話している内にあっという間に約束の時間になり、お会計をして外に出る。 依頼していた1日デート終了の時間になり公園で別れることになった。 「今日はありがとう。 依頼って事を忘れるほど本当に楽しかったよ。 かなちゃんの書く漫画の参考になれば良いんだけど…なりそうかな?」 ナオトさんが心配した顔で私に聞いてくる。 (私も人生初のデート、とても楽しかったです。早速色々と浮かんでます。) 私がそう言うと、ナオトさんは良かった…と微笑みながら「また僕とデートしてくれたら嬉しいな。もちろん''依頼''じゃなくて」とLINE IDが書かれた紙を渡してくれた。 (ありがとうございます。)と受け取ると今度はほんとに映画や食事に行こうよ…と笑い合う。 ナオトさんと別れた後、人生で初めてデートした日に男の人から初めてLINE IDを貰って今更ながらどっと緊張と疲れが出た。 それでもスマホに登録した''ナオトさん''の文字に心臓が躍り出す。 (帰って早速書こう、ナオトさん思い出して書いたら最高傑作が出来るかも!!)なんてスキップしたい気持ちで家に帰る。
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