1 妹にきたお見合い話

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 人付き合いが嫌いというわけではなく、私には理由があった。    ――私に自由はない。  それは、就職する前からそうで、家では家政婦と同じ。  私が働く許可をもらえたのは、今までどおり、家事をすると約束をしたからだった。  継母と異母妹は、いっさい家事をしない。  文句を言おうものなら、父がいない時に嫌がらせをする。  最初は庇ってくれていた父だったけど、二人は父に、私の悪口を吹き込み、異母妹を虐めているとか、継母に冷たいとか、ありもしないことばかり言った。  そんなことを長年繰り返されたせいで、私は家庭内で孤立し、嫌な娘になっていた。 「就職したら、継母たちから逃げられると思っていたのに……」  それは大きな誤算だった。  大学を卒業し、せっかく大きな会社に就職したのに、給料がよくても、継母の嫌がらせが怖く、動けずにいた。
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