19 別荘

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 瑞生さんが驚いて、私を見る。 「どっちだ!?」  「まだわからないですよ」 「そうか。でも、どっちでもいいな」  瑞生さんは嬉しそうに頬を緩ませた。 「家族が増えるんだ」 「そうです。私たちの家族です」  瑞生さんはそっと背後から、私を宝物のように抱き締めた。  外の景色が見え、大きな桜の木から、葉が舞い落ちる。  次から次へ降り積もり、落ち葉は地面を隠す。  幸せな思い出が増えるたび、過去の悲しみも苦しみも覆い隠してくれる――降りやまない落ち葉のように。 【了】 6eafcdbf-b183-4fd7-aea9-6bba5e6adb51
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