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なんて様になるんだろう。仕立ての良いスーツ、整った顔。この高級な感じが当たり前のような振る舞い。
端正な顔で、メニューに目を落としている副社長につい見惚れてしまう。
「唯奈、ワインは?」
「多少なら……」
慣れた様子でワインと料理を頼むと、副社長が私を見た。
ドキンと胸が跳ねる。
何この感覚……。副社長から目を離すことができず、テーブルの下でギュッと手を握った。
「唯奈。緊張しすぎ」
ふわっと笑った副社長の笑顔に少しだけ緊張が解けた。
「でも、私にとっては初めてのことばかりで、どうしたらいいかわからなくて」
正直に言った私に、
「唯奈はそのままでいいよ。唯奈が楽しければ連れてきた男は楽しいんだから」
「そういうものですか?」
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