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不意に掛けられた副社長の声に、慌てて副社長を見ると、仕事の時とは違う、少しリラックスしたような笑顔に胸がキュッとなった。
「美味いだろ?」
「はい、とても美味しいです」
急に我に返り、今まで怒涛のように過ぎてきた時間を思い出して、フォークとナイフを置くと一息ついて副社長を見た。
「あの……副社長」
「何?」
副社長も手を止めて、私を見た。
「なぜ、こんなことをして頂けるんですか?」
もっともな質問だったとは思うが、副社長はニヤリと笑っただけだった。
「唯奈さ、プライベートはダメダメって言ってたけど、例えばどんな感じなの?」
全く違う質問を返されて、私は質問の答えを聞くことを諦めた。
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