Lesson2

21/24
前へ
/87ページ
次へ
「うーん、そうですね。よく転んだり、ボーっとしてたり、呼ばれても気づかなかったり。気が抜けているとそんな感じみたいです。よく亜理紗にも、あっ亜理紗というのは」 「総務の子だね」 「はい。亜理紗には仕事に全神経使ってるんじゃない?って言われるんですけど」 「へえ、全く会社とは逆なんだ」 「はい」 「そして、恋愛経験がない」 「……はい。いつの間にか本当のことを言ってもみんな信じてくれなくて。彼氏になりかけた人にも過剰にいろいろと期待されたりして、経験がないことを誰も信じてくれなくて。そのうち自分でもどうしたらいいかわからなくなって。正直にお話すると、副社長にバレてホッとしている自分がいます」 初めて男の人に本当の自分のことを知られ、どんな反応をされるか不安になりワインを一気に流し込んだ。
/87ページ

最初のコメントを投稿しよう!

744人が本棚に入れています
本棚に追加