俺が恋をおしえてあげる！

Lesson3

さすが大企業の副社長だな……そんなことを考えながら部屋を見渡していると、廊下から副社長の呼ぶ声が聞こえて、急いで副社長の元に向かう。

「唯奈。この部屋使っていいから」
玄関から入ってすぐの扉を開けながら言う副社長の後に続いてその部屋に入る。
その一部屋でも私のリビングより広いんじゃないかと思うような部屋で、きょろきょろと見渡した。
十分すぎるセミダブルのベッド、そしてテレビに、備え付けの机と椅子。まるでホテルの部屋のような造りに思わず感嘆の声を上げていた。

「いいんですか？こんな素敵な部屋」
「ああ、今は誰も使ってないから好きにしていいよ」
『今は』その言葉になぜか引っかかりを覚えて、胸がチクンと痛んだ。
あ……嫌な痛み。こんなこと感じたいわけじゃないのに。