打上花火とソウルフード

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これはさ、私がある世界ではよく名の知られた秘密の組織の構成員としてその組織に加わった時の話なんだけどね。 その組織は表向きには健全な団体として活動していて、世界のいたるところに支部がある。私は当時、そのうちの一つの支部に配置されたんだ。 だだっ広いフロアにずらりと並んだ最新型のパソコン、世界の情勢を映し出す大型モニターや地図、点滅する電光掲示板みたいなものがそこかしこに設置されている。外から見るとぴっかぴかのガラス張りの高層ビルで、中に入るにはあらゆるセキュリティチェックを受けなければならない。 いやぁ、最先端の洗練された職場だよね。 私はね、あらゆる試験を通ってその組織の一員になれると決まった時、誇らしくてたまらなかった。でもね、場所が洗練されていたとしても、中で働いている人間もそうだとは限らない。 実際、通ってみるとそこは世界でも稀に見るカオスな職場だった。
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