打上花火と棚から牡丹餅

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ちょっとさぁ、先週いいことあったから聞いてくれる? ん?藪から棒になんだって?まずは自己紹介? ああ、初対面っていう設定なのね。分かった、じゃあ仕切り直しで。 こほん、ええと私、打上花火と申します。私の素性に関して明かしたいのは山々なんだけど、もしキミがそれを知ってしまったら私はキミを消さなきゃいけなくなる。だからここでは、初心者の物書きだっていうことに留めておくよ。大事な友人であるキミを失いたくないからね。 え?そんなわけあるかって? どうかな?私たちはさ、自分自身が見聞きしたことのない事象の存在について懐疑的すぎるんじゃないかと思うことがあるね。UFOは存在するかもしれないし、イエティだって実在するかもしれない。キミの上司は某国のスパイかもしれないし、キミ自身だって知らないうちに国家の巨大な陰謀の歯車になっているかもしれない。意外と君の身近で事件は起きている、のかもしれない。 ごめん、話が脇道に逸れてしまった。まぁそんなこんなで私の素性は明かせないんだけど、先週あった嬉しいことについては是非話をさせてほしい。 これは、キミの身にだって起こりうることなんだ。 ことの発端は一週間前の一月八日…。
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