痕跡

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 次に目を覚ますと、そこは家?だった。 「おー起きたか?あお…」   驚きすぎてわたしは、帆真礼さんの顎に頭突きを食らわしてしまった。 というのも、丁度起きたところに、帆真礼さんの顎があったのだ。 これは、わたしは悪くないだろう。  帆真礼さんはというと、暫く顎をさすりながら、文句を言っていた。 余程痛かったのだろう。 暫くして痛みが治まったのか。 今度は、喉渇いてないか?お腹空いてないか?とお節介。 この人は、お父さんってより、お母さんの方が合うかもしれないなと思いながら、大丈夫ですと答えようとしたところで、大きな音を立ててお腹が鳴った。 遠慮したところで、体は正直なのだろう。 ここのところ、病気のことがショック過ぎて、ロクなものを食べていなかった。  食べてるとしたら、思い出した頃にお菓子を食べる程度だ。  「おー大きな音だな。   子どもは、そんくらい大きな音の方が良い   ぞ。   遠慮すんな。    んで、どんな食事をしてたんだ?   昨日まで。 前の生みの親?はご飯作ってくれたか?」 「…お金払えば作ってくれた。    和食が美味しかった…。」 「は?食堂のおばちゃんか?    娘から金を取るなんて。」  初めてだった。  怒ってくれたの。 実の家族は、見て見ぬふりだったから。 この人だったら…信じて見ても良いかもしれない。 そう思った。  「うし、和食好きなんだな。     和食作ってやる。 ちょっと待ってな。 後でお前の今までの環境聞かしてな?」   帆真礼さんは、整い過ぎてる顔のせいか、とても冷酷そうに見える。 だけど、そんなこと無くとっても優しい。  「あ、そうだ葵、アレルギーある?」 え?わからない  「そんなことも調べて貰わなかったんだな。    飯食ったら病院行くぞ。 それから、俺のことは帆真礼パパか、パパ      って呼びなさい!良いね?」
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