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自由の翼
ある所に束縛を嫌い、自由を求める天使がいました。
天界は自由に見えて全てが管理されていたのです。そんな天界に何度も何度も自由を求めて抵抗していました。
「こんなんじゃ嫌だ。僕は管理されて生きていきたくない。自由に誰かを好きになりたい。友達を作りたい、家族を作りたい。そう思う事がそんなにいけないこと?」
いつも不思議に思っていました。何せ天界の子供達はみんなここでの管理されている生活が普通だと思っていて、自分だけがそう思えなかったからです。
そんなある日、こんな生活に嫌気が差した天使は自分の綺麗な翼を片方切ってしまいました。そして堕天使となった天使は自由と引き替えに天界を追放されてしまったのです。
人間界に墜ちた堕天使はある少女と出会います。
「ねえ、どうしてあなたの背中には羽が生えているの?」
「それは、僕が元天使だからよ」
堕天使は素直に答えます。すると少女は少し悲しい表情をして、痛くないのと聞きました。
「痛くはないさ。だって、僕は羽を失う代わりに自由を手に入れたからね」
そう言って堕天使は微笑みます。
「そっか。私にはわからないけど、君がそう言うならもういいや。私と遊んでくれる?」
少女が手を差し伸べます。その手を取り堕天使は少女と遊び始めました。
数年後、堕天使と少女はまだ一緒に居ました。片方の翼を失う代わりに初めて自由を手に入れた堕天使は、人間界に堕とされたあの日に出会った少女と、愛を知り、家族を知りました。
きっともう、堕天使は抵抗したりはしないでしょう。元少女といつまでも幸せに暮らしていけるのですから。
ーendー
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