28人が本棚に入れています
本棚に追加
狼人間の姿が見えた瞬間、真っ先に動いたのは編集長だった。
楔だらけのライフルを振りかぶり、顔に向かって殴り掛かる。しかしこの攻撃は見切られたのか、狼人間はそれを片手で受け止めた。
「まずいね。ここじゃ私達は後ろに下がれないよ……警部を使って袋小路に閉じ込めたってところかな? 」
食糧庫はそこまで広くない。入り口以外の出口もない。
つまり青い狼人間を倒さない限り、或いは僕達がここで死なない限り、僕達はここから出ることが出来ない……完全に追い詰められた。
「ったく、俺なんざ放っときゃ良かったのによぉ」
「そうもいかないんだ。犬の頼みは断れないからね」
ぼやく警部と、話しながら縄を解く先生。
(解くといっても、殆んど力尽くで引き裂いていたけれど)
「こうなったらしゃあないな。あんたらが何者だか知らんが、今は協力するしか無さそうだ……兎に角ここから出るぞ」
「了解。ライカ君、いいだろ? 」
勿論だ。
「僕ならあいつに止めを刺せます。警部は動きを止めてください」
「いきなり物騒だな。行くぞヴァルツ号」
ワン。
僕と警部は銃を抜き、先生とヴァルツ号は体を低く構える。
さぁ。一緒に青い狼人間を倒そう。
最初のコメントを投稿しよう!