【6】解決と獣

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 月が照らす草原に、暗い影が集まってきた。  最初はひとつ。次第にふたつ。騒めく草の上には、やがて六の影が現れる。 「何かと思えば、また奴のことかよ……」   「ベルベットが死んだってのは本当かな? 」 「それは嘘……本当だったらここに来てない……」  月は満月には程遠く、しかし静かに輝いている。   「何か弁明があるのでは? 混血の雑種に負けるなど『群れ』の恥晒しかと 」 「そう咎めるでない。時にはそのような事もあろう」  集まった六の中心に、そよそよと夜霧が流れてきた。  それは次第に実体を持ち、二本の腕、二本の足。所謂「人」の形を作る。 ーーやぁ皆。よく来てくれたねーー  夜空にきんと突き刺すような声がして、六つの影は一斉に動きを止めた。  影の中心に立つそれは、一見するとただの青年だった。銀色の美しい髪に灰色の服。瞳は鮮やかな金色に輝き、夜闇の中でもはっきりと存在感を示している。 ーー知っての通り、ベルベットがやられた。やったのはかの有名人、ラピス・ヌックス……改めて言わなくても知っていたかなーー  青年は影を見渡して、そっと口を開いた。
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