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「えーっと。
てことは、あーちゃん、勘違いして青井にやきもち焼いてたってことか」
私の渾身の右が入った鳩尾をさすりながら、ニヤニヤした孝太郎さんが私の顔を覗き込む。
「う…うるさいっ」
「青井、男なのに?
勘違いしちゃった?」
「もう知らないっ!」
私は、頬を膨らませてプイッと顔を背ける。
結局、サプライズを仕掛けようと孝太郎さんに内緒で大阪に来たのに、勝手に勘違いして孝太郎さんの浮気を疑って逃げ出し、飲み屋で酔い潰れて知らない人の善意に助けられたのはいいけど、スマホの充電が切れたせいで行方不明騒動を引き起こし、皆に心配をかけた…ってことは、冷静に考えて、やっぱり私の一人相撲?
確かに、孝太郎さんからの『電話に出られないかもしれない』ってRINEメッセージに、『同僚の青井とゲームしてるから…』って一言付け加えてくれていれば、勘違いに気づいてかな?
まあそれは無いか。
私はあの時点で完全に青井さんは女性だと思い込んでたわけだし。
じゃあ男性だったから良かったかというと、実は、それはそれで少しモヤッてることもある。
最近職場でも頻繁に研修があるけど、最近は性的マイノリティの方のことを『LGBT』に『Q 』と『+』を加えて『LGBTQ+』と呼ぶらしいけど、青井さんは本当はどうなんだろう。
孝太郎さんは、ただ単にフェミニンコーデの好きな童顔美男子だって言ってるけど、青井さんの本心はどうかは分からない。
でも、駅で二人に出会った時に見た、孝太郎さんを見上げる彼の目は、まさに恋する乙女のように、キラキラ輝いていた。
統計では13人に1人の割合で『LGBTQ +』の人が存在するってことらしい。
私の同僚で、私に恋愛感情を持ってくれている翠ちゃんのこともあるし、青井さんもそんな気がする。
って思いっきり私の勘だけど。
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