第七章 SPY

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「そっか。あーちゃん昨日は仕事休みで、大阪にいたのかぁ…。 あーちゃんが大阪に来ることを前もって知ってたら、友達に会った後でもいいから、寮に呼んだのに…。 あーちゃんがいたら昨夜はさぞ楽しかっただろうなぁ。あーちゃんに来て欲しかったな…」 残念そうに孝太郎さんがそう呟くから、私もそんな彼がなんだか愛おしくなって。 ウソでも社交辞令だとしても、そんな風に言われたら、孝太郎さんが昨夜他の子とお楽しみだったことも、心から水に流せそうな気がする。 というか、こんな言い方するってことは、あのアオイって子のことは、ほんの出来心からの“ハプニング”で、孝太郎さんの本命は私って事で、自信を持っていいのかもしれない。 そもそも、こんなことになったのも元はと言えば、孝太郎さんの“浮気騒動”が発端。 とはいえ、私も“行方不明事件”で心配かけたという負い目がある。 とりあえず今日のところは孝太郎さんの“あまあまモード”に乗っかって、有耶無耶にしておくことにしよう。 そして、これからじっくり、私の“愛”のチカラで、アオイって子を彼の心の中から排除していけばいいのだ。 要はアオイって子の入る隙間さえ作らなければ、大丈夫。 そんな気がする。 「えーっとぉ。じゃあ〜あ。昨夜私がここに来てたらぁ、私とぉ、何するつもりだったのぉ? 孝ちゃん、私に何して欲しかったのぉ?」 カウチに並んで座り、普段したこともないようなシナを作って彼の体にタッチし、人差し指で彼の胸板にのの字を書きながら、甘えた視線を彼に絡ませる。 やりすぎたかな? でも孝太郎さんも鼻の下伸ばしてるし、なんか下の方も固く膨らんできてるし。 私のこのキャラも意外とイケるかもしれない。 いざという時はこのキャラを使うことにしよう。 「えー、昨日あーちゃんがここに来てたら? そーだなぁ。アオイと3人でヤリたかったかな?縛りプレイの。 あ、あーちゃんにも今度紹介するけど、アオイのテク凄いんだぜ? アオイにかかったら、俺なんか即終了だよ。 あ、でもあーちゃんは初めてだから、最初はソフトな感じで…」 「は?」 はあああああああ? アオイって子と3ぴーしたかっただとおおおおお⁈
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