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「ちょっと待って。なに?3ぴーって。
縛りプレイって?
…近寄るな変態っ!」
彼の体に甘えてしなだれかかっていた私は、それを聞くや否や、体を起こして彼を突き飛ばした。
そして、封印しようと決めていたはずの昨夜駅で見てしまった出来事への思いが、胸の奥から次々と溢れだした。
「3ぴーしたかったって、アオイってひとと私と孝太郎さんの三人で?
じゃあ、やっぱり昨夜はアオイってひとと孝太郎さん、この部屋で二人しっぽり2ぴーしてたってことじゃん!
しかも“縛り”って…。
孝太郎さんそんな趣味があったんだ。変態!」
私は自分でも驚くほど蔑んだ目で、孝太郎さんを見つめた。
最近彼のことを呼ぶ時は“孝ちゃん”って呼んでたけど、今はもうそんな気分にもなれない。
「あれ?あーちゃんアオイがここに来たこと知ってるの?」
「見たの」
「何を?」
「私、駅で見たの。孝太郎さんとアオイさんが仲良く歩きながら話してるところ」
「えっそうなの?
それなら声かけてくれれば良かったのに」
「そんなことできる訳ないじゃない!
あんな可愛い子と一緒に歩きながら、“俺んとこ来ないか?”なんて自分の彼氏がワンナイトカーニバルしようとしてるところを目の当たりにして、平気でいられる女の子なんていると思う?
私の胸はもうzuki zukiと音を立ててるし、今まさに寂しがり屋の伝説を作ってしまいかねないところまで来てるよ!」
私は一気に捲し立てた。
そしてあっけに取られてる彼を薮睨みしながら、大きく肩で息を吐いた。
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