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「ねえ、テレビとBlu-ray、もう繋がってる?」
「まだBlu-rayは繋げてないよ。てかBlu-ray、いらないっしょ?
録画するだけなら、ハードに落とせばいいんだし」
「ううん。早くコレ見たいからさ。コレ」
私は大切に持ってきた引越し荷物の中から、ソレを大事そうに取り出して、彼に見せた。
「ああ、またソレ? あーちゃんも好きだなあ」
「ふふっ。何度見ても飽きないし、何度見ても泣けてくるの。
だってこの中には私の宝物が詰まってるんだもん」
引越し作業もひと段落したので、孝太郎さんに無理言ってBlu-rayを繋げてもらう。
私は待ちきれないとばかりに急いでディスクをトレイに載せ、ソファーに座ると、孝太郎さんがソファーに座るのも待たずに、私は再生ボタンを押した。
「何回見ても、よく飽きないね。
俺は恥ずかしいからパス」
「だーめ。座って一緒に見るの」
私は隣に来たのに座ろうとしない彼の指に自分の指を絡ませ、強引に隣に座らせた。
「はいはい。分かりましたよ。
はい、ティッシュ。どうせまた泣くでしょ?」
「ありがとう」
「…って、もう泣いてるし」
「だって、これから二人で暮らす新居で初めて一緒に見るんだもん。
そう思ったら、もう泣けてきちゃった」
「あ、始まるよ。俺らの結婚式の録画とメッセージ集」
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