第一章 参加者

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第一章 参加者

 俺は見覚えの無い部屋にいた。  ここはどこなのだろう…。  部屋には、俺が寝ていたベッド以外の物が何も無い。しかし、微妙に小綺麗な部屋に少し違和感や、恐怖のようなものを感じた。拉致か、監禁か…、体は拘束されておらず、痛みも傷もない。  そして、何も覚えていない。  これは、この状況までの過程をという意味ではなく、自分のこと全てという意味だ。  つまり、記憶喪失というやつだ。  記憶が無いことからの不安もあったが、この状況では逆に行動し易い思考状態になっていたのかもしれない。  俺の足は自然に、たった一つの扉を目指していた。  扉の向こうがどうなっているか、予想もつかないが、その行動に対しては、一切の疑問も迷いも抱かなかった。  答えは、簡単だ。今の俺には、それ以外の選択肢がなかったからだ。  俺は、扉の前で立ち止まった。実は、ずっと気になっていた物が、そこにはあった。  コピー用紙のようなものに、印刷された綺麗な字が、そこには綴られていた。俺が、迷いなく扉の前まで進めたのは、この紙があったからだ。  その紙に、書かれていた内容はこうだ。
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