ある少女の話。

　「では、取材を始めさせていただきますね。」

　雑誌の記者が、メモ帳とレコーダーを手に言った。

「ええ、何でもどうぞ。」

　その美人が微笑んだ。

　透き通るような白い肌、それに対象的な黒髪が、部屋の明かりによって艶やかに照らされている。何より、彼女の黒く大きい瞳が、キラキラと輝いて、記者の目を捉えて離さなかった。

　記者が見惚れていると、

「どうかしましたか？」

　不思議そうに首をかしげる美人。

「いえ💦ええと、」

「？」

「夢野社長が、どんな子供だったのか！
社長の子供時代のお話を、お話頂けるとありがたいのですが。」

「子供時代の話ですか、、、。」

　その美人…“夢野”と呼ばれた女性社長が、何かを思い出すように、しばらく宙を見つめた。