天邪鬼の唇は

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お見合い当日、案の定兄が逃走したものだから代わりに部活帰りの僕が急遽代わりに参加。 いつも通り今回も盛大に振ってやろうと僕は簡単に考えていた。 αのプライドたっぷりの高い天狗鼻をポッキリとへし折ってやる気満々でスーツを身に纏いお見合いの相手がいる扉を開けて微笑を浮かべ挨拶した。 すると予想外なことが起きてしまった。 今まで見た事も無い美しさと長身、そして目の光。真っ直ぐな瞳に僕は一瞬息を飲んだが構わずに席に座りそれぞれの両親が軽く話をしてから去っていく。 今は俺とαの見合い相手の2人っきりの空間だ。 やるなら今か。 このまま破談…の筈だった。 「俺はお前と結婚する。」 『…は?』 何を言ってるんだこいつは。 「お前は明智家の弟の方だな。」 『いや俺は…』 「大会で会った時からお前が気になっていた。宗音、結婚しよう。」 『っぜったいにアンタなんかと結婚しない!!!!』 死んでもあんたなんかとはゴメンだから!!
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