天邪鬼の唇は

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『お前僕に話しかけないでね。』 仕方なく同じクラスだから一緒に歩くのは許してあげる。 けれどどうして同じ一軒家に2人っきりでこれから住まないといけないのか。 見合い当日から僕は実家を追い出されて御誂え向きに用意された家はこのαの持ち物だと言う事は聞かなくても雰囲気で分かった。 そう、この男は知能、技能、見た目だけじゃ飽き足らず滅茶苦茶金持ちのエリートα様なのだ。 悔しいから本当は言いたく無いけれど自分には勿体無いくらいに! 「…何故?どうして許嫁なのに話をしてはいけないんだ?」 『どうしてもくそも無い。僕はお前のことまだ認めてないから。じゃあ。』 教室の扉を開いて机を探す。 …名前順の席となれば後ろは必然的にあの馬鹿が居るということになる。 これは最悪の高校生活の幕開けだ。 僕は盛大にため息をついた。 『…早く席替えしてよ。』
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