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『しない。しません。』
「何故だ」
『…アンタ本当執拗いから。』
それに僕はアンタに話かけていない。
「宗音」
『話しかけないでって言ったでしょ。名前も呼ばないで。』
くるりと前を向いて再び本を読み始める。
「…」
しょんぼりとする様に俯くアイツは本当にαらしくない。
そんな姿のあいつを優しく宥める僕に怯えてた友達とやらは結構仲良さそうに見える。
「悟君嫌われてるね。」
「…嫌われたくないのだが難しい。」
「ぶっちゃけさぁ悟君凄いモテるんだからなにも明智じゃなくても良いんじゃない…?」
そうフォローを入れたつもりだったみたいだがアイツにには余計なお世話だったらしい。
一気に空気が重くなった気がした。
αの威嚇フェロモンはまだ出ていない筈なのにアイツは目だけで威圧したのだ。
僕は本に夢中になっていたから知らなかったけれど。
「ヒッ…!?ご、ごめん悟君!」
「分かれば良い。」
「俺は応援してるから!悟君頑張って!」
そう言ってそそくさ去っていく奴。
なにも悪いことしてないのに損な役回りだと思った。まあ僕はなにもしてやらないけれど。
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