20210912

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20210912

いつもより早い秋の訪れは 人のリズムも自然のリズムもかき乱す どこかチグハグな服に彩られる街と 急かされたように薫る金木犀と 小さな丸い集合体の雲と高い空 まだ少し居座る湿った暑さが 居心地悪そうに屯する電車の中は いつか見ていた同じ光景を いつのまにか取り戻して 顔を覆うマスクだけが まだ終わっていないんだよと 最後の抵抗をしていた いつのまにか自分だけの パーソナルスペースはなくなり 視線を交差させないように 暗闇の中をただひた走る鉄の塊は 時々人と空気を取り替えて ひたすらに役目を果たす 額から流れる汗が乾く頃 いつもの顔ぶれに囲まれて こだまするのは 人の声以外の何かの物音 そんな始まり 当たり前だった そんな始まり
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