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そして、朝宮さんにも俺の気持ちが少しだけ伝わっているというか。
あの時、朝宮さんと二人で一緒に眠ったときから、不思議な感覚だ。
でも、そんなことを、俺たち二人をちょっと見ただけで分かるもんなの!?
女の子って怖いな。
俺だったら絶対分からん。
経験豊富そうな昼河だったらちょっとは分かるのかも知れないが。
そうでない男子など全滅だろう。
暁星の声は、今度はやや熱くなっている。
イライラするのではなく、こう……何か燃えるような。
「き、気のせいだよ」
「ふーん。なるほどねぇ。別に朝宮サンと付き合ってるわけじゃないよね?」
「つきあうっ? そんなわけないでしょ」
「ふふっ。そうよね。じゃあ……まだ機会はある……」
「ん?」
暁星は顔を上げ、両手を振ってなんでもないと言う。
「ねえ、タクヤ……来週の土曜日だけどヒマ? 買い物に付き合って欲しいんだけど」
「いいけど、何?」
「楽器店。また詳しい時間とかはラインで送るね」
「お、おう。わかった」
「約束だよ?」
暁星は弾ける笑顔で、そう言ったのだった。
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