第三章 お嬢様と初本番

20/28
21人が本棚に入れています
本棚に追加
/161ページ
 昼河と早希ちゃんが、全部分かった、というような顔をしている。  く……ここにも俺と朝宮さんの秘密を知ってしまった者が……。 「まあ、じゃあ頑張れよ……竹居」 「竹居君頑張ってね。朝宮さん、じゃあね」  頑張ってって二人揃って言うな。  足早に去って行く彼らの背中を見ながら、俺はやれやれと思ったのだった。 「竹居君は何を頑張るのですか?」  当然それ聞きたくなるよな……。  とりあえずとぼけつつ答えておこう。 「んー。朝宮さんとサックスかな」 「そうですね、頑張りましょう! それでね、竹居君。私……今日から一人暮らしをはじめました。あれ? 竹居君……? どうされましたか?」
/161ページ

最初のコメントを投稿しよう!