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「うん、最初コケても最後まで引きずらないようにしないとね。朝宮さんも気をつけて」
「はい!」
相変わらずジト目の暁星。
「ねえ、タクヤ……朝宮サン。二人とも、何かあった?」
「何か?」
「ええと、多分ありませんけど……」
「本当? あやしい——」
暁星だけが何かに納得していないようだが……。
久しぶりに合わせる練習は楽しかった。
一人でやるのと違って、全然深みが違う。
それに、朝宮さん譜読みがしっかりできている。
もしかしたらピアノでもやっていたのかもしれないな。
「そろそろ時間なので、楽器をしまって帰ろか」
「はーい」
「はい!」
俺たちは充実した時間を終え、練習を終えたのだった。
「あの、竹居君。お話しがありまして……少し時間ありますか?」
「うん、分かった」
「ふーん。じゃあ、アタシは先帰るね」
さっと片付けを終えてさっさと帰って行く暁星。
俺たちも追うように片付け、音楽室を出て旧校舎を出る。
大切な話みたいなので、旧校舎を出たところにある、植え込みの近くのベンチで話すことにした。
「それで朝宮さん、話というのは……?」
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