第三章 お嬢様と初本番

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 でもきっと彼女にとっては大きな意味を持つことなのだろう。 「何があっても、俺は朝宮さんを嫌いにならないと思う」  そう言うと朝宮さんは泣きそうな目をして顔を上げた。  でも、震えが少し収まったようだ。  朝宮さんが抱える、言えないこと。  それがつっかえ棒のように朝宮さんを止めているのなら、当然そんなものない方がいい。 「朝宮さんの言うこと、俺なりに理解したつもり。みんなでうまくいくように頑張ろう」  俺はそうするのが当たり前のように、彼女の両手を取って握った。  朝宮さんの震えが止まっている。  さらに、口元に笑顔が戻ってきている。 「はい!」  朝宮さんは力強く答えた。  彼女はさらに続ける。 「それと、あの……私の竹居君に対する気持ちを伝えようと思っています」 「気持ち?」  それって……もしかして……?  いやいや、小旅行帰りのバスで、朝宮さんは俺とつきあえないって言ったはずだ。  でも、それが単なる寝言で彼女の気持ちと違っていたら?  いやいや、そもそも朝宮さんが俺に好意を抱いているというのが間違っている可能性はないのか?
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