無力な入学式

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「思い出した! 実は脳もおかしいんです」 「はいい?」 「今朝から急に、漢字が読めなくなって」 「すぐ病院行ってください!」  校長はス魔法を押していた。 「救急車を呼びます。しばらく休んでください」  え、そんなに大ごとだったのか? うん、確かに大ごとだ。でもまさか、命が危なくなってたなんて。 「大丈夫です、グール先生」  校長が肩を叩いてくれる。今回の「大丈夫」は、本当に大丈夫そうだ。 「休みの間は、残ったみんなで何とかしますよ。治療に専念して、元気になってから来てください」 「ありがとうございます!」  教師生活2年目。こんなに頼もしい校長の顔を見るのは、初めてだった。よし、しっかり治してきます!
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