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入院は2泊3日で終わった。
脳神経内科の先生は、パソコンに脳の写真を出して説明してくれた。
「検査の結果ですが、SCTを見ても脳に異常は見当たりませんでした。命の心配はありません」
※SCT…スーパーCTの略。現実社会のCTとは違い、小さな血栓も確認できる。
「じゃあ、なんで漢字が読めなくなるんです?」
先生は首を横に振っていた。
「わかりません。ですが、考えられる要因としてはストレスじゃないでしょうか」
「適当言わないでくださいよ」
「歯ブラシの話です。不安が続くようでしたら、精神科でお薬を」
確かに、自分でも妄想っぽい話だと思う。けど
「歯ブラシはもういいです。新しいのに替えたらスッキリしました。それよりス魔法はどうだったんですか?」
先生は言った。
「私は脳神経内科専門なので、ス魔法内科の先生にお聞きください。予約票のこちらに、11時からと書いてありますので」
「だから読めないんですって」
俺はスタッフの人に付き添ってもらい、移動した。ス魔法内科の先生には、わけのわからない現実を突きつけられた。
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