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「やった! 強いんだね!」
お嬢様(?)の顔がぱっと華やぐ。その瞬間、あごに衝撃が走った。
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「大変、申し訳ありませんでした!」
俺は校長室で頭を下げた。
えんじ色に金糸の織り込まれたじゅうたん、重厚な木製のテーブルと肘かけ椅子。天井からはシャンデリアが、俺を睨みつけてる。
いかめしい長方形のテーブルは1人用の小型で、小柄な校長がついていた。
「まあ、まあその、ね?」
校長の上には歴代校長の写真が並んでいる。どれもコワモテで、今の校長に似てる人は1人もいない。
テーブル横で仁王立ちしてる教頭の方が、同じ雰囲気を出している。うげえ、威圧感!
「グール先生、貴様はたわけかあ!」
アルマくんを殴ったのは暴力お嬢様だが、こういう時は教師の「監督不行き届き」になる。
「どしょっぱなから監督不行き届きで」
思ってるそばから教頭が言う。校長の声は小さかった。
「いいよいいよ、気にしないで」
「やった!」
暴力お嬢様が飛び跳ねる。このバカ嬢!
「お前は反省しろ!」
「やめてください、先生!」
アルマくん! 膝を打撲して、口もちょっと切れてるのに、どうしてこの子をかばうんだ。
「僕はいいんです」
「アルマ・ドラゴナン。怒るべき時は怒っていい」
教頭が言う。アルマくんは首を横に振った。
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