2人が本棚に入れています
本棚に追加
「だって、レイラちゃんはかわいいし!」
はあ?
「何言ってるんだこの子は」
教頭もあきれてる。アルマくんは爽やかにほほ笑んだ。
「レイラちゃん、僕と付き合おう」
いきなり告白! 親も教師もいる前で? なんつー大胆な子なんだ。
「えー無理」
いきなり失恋!
「初対面で、名前にちゃんづけっていうのがさー、キモいわ」
アルマくんは校長の息子、この学校では一番権力のある生徒だ。しかも顔もイケメン。なのにこの子は容赦ないな。
「そんなこと言っていいのかな?」
アルマくんがまたほほ笑む。笑顔なんだが、種類が変わった。悪者が企むような顔。
「今付き合えば、このことは内緒にしてあげる。嫌ならかまわないけど、即警察を呼ぶよ。また懲役になりたくないなら」
「いいよ」
あっさり手のひら返した。子供でも保身はするんだな。愛は全くなさそうだが。
「ありがとう! 今日から恋人だね」
「バッカじゃないの?」
お嬢様は顔をしかめていた。
「牢屋に入っても『いいよ』って意味」
「なんで!?」
アルマくんがうろたえる。
最初のコメントを投稿しよう!