無力な入学式

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「また懲役って、意味わかる? レイラちゃんの人生もめちゃくちゃだし」 「名字。アプリケって呼んで」  え? アプリケ? うちの実家と、昔から付き合いがあるところじゃないか! 本当にお嬢様だったとは。 「別に懲役なんて、1回も2回も一緒だし」 「レ、アプリケちゃんはよくても、親御さんが悲しむよ」  お嬢様は首を横に振った。 「パパもママもこう言うの。『罪を犯したら、正々堂々と牢屋に入りなさい。うちはお金持ちだけど、もみ消すなんて思わないでね』って」  立派な親御さんだなあ。うちの親父とは大違いだ。 「いや、でも、やりすぎたら勘当されちゃうよ?」 「それはない」  お嬢様はきっぱり言った。 「パパもママも、毎日面会来てくれたもん!」  まっすぐな瞳。すがすがしい表情。校長はうつむいてるけど、教頭はほほ笑んでうなずいてる。 「でもさあ」 「しつこい!」  お嬢様は何かをほうり投げた。ん? ハガキか?
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