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『その唇にKISSする時』裏話その1
『その唇にKISSする時』
https://estar.jp/novels/25815908
京也と歌澄の過去の因縁を考えた結果、それを精算するために、企業買収を描かざるを得なくなった。
本当は、買収などしなくとも、歌澄の父が冤罪を負わされた特別背任罪の真犯人が判明すればいいのだが、正直、財務関係の知識など一切無く、証拠を積み上げるような展開を描くには、知識、筆力と共に不足していることがわかっていた。
そこで、企業の合併等に伴う事務作業の中で、不正が判明する、という展開を考え、全く関係のない企業が関わるには買収くらいしか思いつかなかった。
とはいえ、株式の知識も何もない。
せいぜい、過去のライブドア事件の記憶がうっすらあることと、ドラマ版『半沢直樹』を見ていたくらいだ。
その程度の知識で、副次的な部分とはいえ企業買収を書こうというのは、それはそれで、無謀だ。
しかし書かなければ、話は完結しない。
早速、Google先生やWiki先生に聞いてみた。
そこで、実際に行われたTOBのいくつかの事例を知ることができた。
中でも私が注目したのは、ぺんてる株を巡るコクヨとプラスの攻防と、大戸屋とコロワイドの事例。
作品を読んで頂ければわかるだろうが、トリーナ(旧湯浅システム)を巡るファイスとケルスの攻防はぺんてる、スネークスとマルティネスは大戸屋を参考にした。
他にもう一つ、島忠を巡るDMCとニトリの事例があり、できればこれも取り入れたかった。が、ここまでやると収拾が付かなくなる上、元々ロマンス小説であるはずの話が、余計に脱線する。
そのため、この事例を取り入れるのは諦めた。
それでも、専門家から見れば、ツッコミどころや不備の多い展開だろうと思う。
もし、お気づきの点があれば、ご教授頂けると有り難い。
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