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数あるコースの中から、リフレクソロジーコースを選んだ。
リフレクソロジーとは、足裏健康法のこと。
足裏には体の臓器や器官が反射されており、これを反射区と呼ぶらしい。
親指は頭とか、踵は腰だとか。
その足裏に反射している場所を、セラピストの指で刺激することによって、身体全体の健康促進に繋げるというもの。
全てパンフレットに書いてあることしか頭に入っていないけど、イメージは湧く。
だけど反射区とかの知識よりも、私の興味を駆り立てたのは、温もりを伝えるということ。
ユウキの動かない足に、温もりを伝えたい。
それができるのは、地球上で私しかいない気がする。
鋼のように固い意志を纏った私は、他のページを開くことはしなかった。
資格を取るなら、足専門のセラピスト、リフレクソロジスト一択だ。
この話も何回も母に伝えているのに、一向に理解してくれない。
その度に同じ熱量で話す、私の身にもなってほしい。
「ま、ナオが決めたならそれでいいけどさ。ほら、夕食の準備手伝って」
「はーい」
それから毎朝、ユウキと会えば進路の話。
その度に適当にあしらっていると、あっという間にセンター試験が終わった。
物理的に行けなくなったのにも関わらず、今度は浪人してまでも大学に行けと言われる始末。
ユウキは無事に、まあまあの大学に進学することが決まり、もちろん私の養成学校行きも決まった。
中、高一緒だったユウキと、初めて違う学校に通う。
それは心配でとても不安だけど、帰る家は同じマンション。
寂しさは全く感じない。
期待と覚悟を胸に抱き、新たな生活が始まろうとしている……。
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