アト

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アト

「トワの村で確かめたいことがある。」 『!』 「ニコ!」 『何?』 「俺とトワの村まで、一緒に来て欲しい。」 『?』 「村人に見つかりたくないんだ。ニコの能力があれば全て上手くいく。」 『えーと、それってクア様のためになるんだね?』 えらく話が早いな。助かるが… 「そうだ。命を狙われることもなくなる。」 『!本当?!よしっ行く!』 「クア、1カ月ほど隠れていられるか?」 『レオ、私はどんな形で呪が発動するか怖い…。』 俺の憶測でしかないが、「レオ」には直接呪は発動しない。 「大丈夫だ。それに間違いは正しておきたい。後世のために。」 『……』 また、諦めたような顔。もうそんな顔はさせない。 「アトだ。俺の真名(まな)。「レオ」になった時に捨てられたが…」 ”希望“と言う意味がある。父と母が付けてくれた。 「1カ月で戻る。1人で心細いかもしれないが、なるべく早く帰る。」 『クア様!ニコがついてるから、アトは大丈夫!』 決意も新たに、その日の夕方にトワの村へ発った。
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