守るべきもの

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土埃でなんも見えね…先輩…見えるのか? 先々いっちまう…遅れるな…一人じゃ なんもできねぇんだから… 刀鬼に心配掛けてる場合じゃねぇんだ。 命を掛けた戦いに人の心配なんぞただの お荷物だからな……… 俺「…おい刀鬼!!あれ」 刀鬼「…………人……人だ!!」 そう言うが早いか、先輩はもう駆け出している。 俺「大丈夫か?おい、おい!返事…できるか?」 何も返事が無い。目すら開けない。 駄目だ…手遅れだ……… 刀鬼「…先輩?」 俺は黙って手を合わせる。 刀鬼「…先輩!!センパイ!!!!!!」 ハッと我に帰り、刀鬼の方を見る ──よりも前に、俺の視界いっぱいに ひろがったのは……… 奇獣………!!!!! 刀鬼「センパイ!!!!!!」 その一瞬、俺は意識が飛んだかのような 空間にいた。 何もない ドクン…ドクン…ドクン…ドクンッドクンッ まただ、鼓動が… ???「欲しいか?力が     人を守る力が」 俺「誰だかしらねぇが…刀鬼まで巻き込む   訳にはいかねぇ…欲しい、力が、欲しい」 それ はフッと微笑むと、消えて… 俺は、奇獣を吹き飛ばしていた。 刀鬼「…………」 俺「…刀鬼、無事か?」 しかし刀鬼の表情は、恐怖に凍りつき、 俺を見据えていた。 俺は…守れた………のか?
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