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Act 4
一日ごろごろ、電気もつかないし、狭い寝室、四人で過ごした。
窓の外はまだ雪が降り、雪かきをしている人もいるが、明日でいいという夫はお疲れ気味なのか、食っちゃ寝を繰り返し、たまに子供たちと遊んでいるのをベッドの上から眺めていた。
夜、電気が付き、なんかほっとしていた。
「パパ―電話」
お?会社かな?
「明日休みじゃないの?」
「学校は出てきてくださいって書いてあったからね、支度しなよ」
「えー、シャーねーな」
「宿題したの?」
終わってるという声。
そして彼がなんとも言えないような顔で部屋に入ってきた。まだスマホが耳の側にある。
「そっか、じゃあ明日か?友引かー、雪解けてりゃいいけどな、おう、わかった、じゃあな」
「誰かなくなったの?」
「ん?うん」
私の知ってる人?
「覚えてるかな、秋生の最初の嫁さん」
最初?
「覚えてねえか、俺たちが付き合うようになった時の」
そこまで言った彼の言葉を止めた。
実は。
私は今日の夢の話をした。
「まじかよ、でもなんで?」
わかんないと首を振った。
するとまた彼の電話が鳴った。
「は?そうか、わかった、行かない、別にそこまで関係深くなかったから、おう、じゃあな」
なに?
そんなに付き合い無いから行かないという。俺もあれから付き合いないし。
そう、それなら行くことないよね。
「あー、今度はラインかよ」
そう言って彼はキッチンの椅子に座った。
私は子供たちの相手をしていた。
「ふーん、なあ、あいつ、また離婚するみたい」
そうなんだ。
彼はこう続けた。
「あいつのことが心配で、お前のこと追いかけてきたんじゃねえの」
「怖いこと言わないでよ」
「冗談だよ、また熱出したら大変だから早く寝ろ」
「うん、じゃあ先に寝るね」
「おう」
その後何度か起きたけど、夢らしい夢は見なかったし、リビングから庭の方は見なかった。というか、見ないようにした。
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