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本編
あれから数日。
「はあ…可愛い」
「…」
「すごく可愛い。丁度いい大きさだし、柔らかいし…」
「……。」
「ここのほくろとか、最高にエロい」
「…先輩、それあと何回言う気ですか?」
毎日毎日飽きなすぎるでしょう。
そう返せば間をあけることなく「俺の気が済むまで」と言い放つや、また人の耳を弄りだした。
先輩に(耳フェチの)告白…いや、カミングアウトを受けて以来、
私、笹原 瑠璃(ささはら るり)はお昼休みに先輩に耳を弄られるという大変奇妙な日々を過ごしていた。
初日こそ「まあ何かの間違いだろう」くらいの気持ちでいたがどうやら本気だったらしく、わざわざ教室に迎えに来た先輩に思わず開いた口が塞がらなかったが。
「瑠璃ちゃん、聞いてる?」
「先輩が耳を触っているので聴力が落ちてます」
暗に聞いてなかったと伝えると先輩はクスクス笑うだけだった。
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