番外編

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番外編

※理来視点 「瑠璃ちゃん」 「ん…お疲れ様です、先輩。」 昼前の授業が終わって、やっと解放されたと息つく間もなく昼ご飯片手に屋上への廊下を駆け上がった。 暑さが段々と落ち着いてきているけれど、走るとまだ汗は流れる。 彼女に会う前に落ち着かせたい気持ちと早く会いたい気持ちが混濁して思わず笑いそうになった。 重い扉の鍵は開いていて、開けてすぐの所に膝に弁当箱を乗せて頬を動かす瑠璃ちゃんを見付ける。 「やっぱり瑠璃ちゃんのが早かったか」 「今日は私の勝ちですね」 「そうだね…はい、こっち来て?」 瑠璃ちゃんの隣に腰かけて、脚を叩いて催促した。 「…食べ終わってからでいいですか?」 「だめ。今すぐくっつきたい」 「今動くの、ちょっと面倒といいますか」 「だめ。」 ものすごくめんどくさいって顔に書いてあるけれど、そんなのはいつものことなので気にしない。 お昼の時間は短いし午後も詰め詰めの受験対策がある。この限られた時間で充電するには今すぐくっつく以外の手はない。 それに、お願いすれば瑠璃ちゃんは何だかんだ来てくれるのはわかっている。 「もう…。先輩もご飯食べづらいんじゃないですか、私ここに座ると」 「全然。瑠璃ちゃんいないと食べれない」 「嘘ばっかり」 すとん、と俺の脚の間に座った瑠璃ちゃん。 彼女の小柄な体は、後ろから見たら俺ですっぽり隠れて見えない。そんな愛くるしい彼女を片手で抱きくるみつつ、お昼にありついた。
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