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―――…
あれから数日。
相変わらず昼は瑠璃ちゃんと屋上でとり、放課後お互いに時間が合えば待ち合わせて帰るというのが定着してきた頃だった。
(何か…おかしくないか)
この頃、瑠璃ちゃんの様子がおかしい。
「瑠璃ちゃんお待たせ」
「あ、お疲れ様です先輩」
「…今日も、スリッパ?」
最近昼に会うと、体操着だったり、髪がどこか濡れていたり。今日もまた中履きではなく、職員室から借りたであろうスリッパを履いている。
この前もスリッパを履いていたのを見ている。それにしっかりしている瑠璃ちゃんが何回も忘れたりするのは考えにくい。
「はい、忘れちゃって」
「…この間も忘れてたけど」
「最近忘れ物、多くて」
瑠璃ちゃんに聞くとこれだ。一切話してくれない。
こうなると無理に聞き出すこともできないからどうしようもなくなる。
(もしかして俺、頼りないか…?)
「…ほんとに、何もない?」
「何も無いですよ。ご飯食べないと、時間、無いですよ?」
「うん…。」
このモヤモヤした気持ちを抱えつつ、その日の放課後は瑠璃ちゃんが委員会の仕事があると言っていたので一人帰路についた。
それからも度々瑠璃ちゃんに聞いてみたり、学校で様子を伺ったりしたもののわからず仕舞いだった。
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