本編

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お昼休みは屋上で、先輩の脚の上に乗せられてお弁当を食べるのが基本スタイルになってしまっている。 初日にこうなった以降、抗議するのも面倒だし、正面向いて向き合っても嫌だし、横並びは「片方しか見れないでしょ?」と言われるしで素直に従うことにした。 最もいちいち考えるのが面倒くさいというのが一番の理由。 「今日はハンバーグ入ってた?」 「…今日は昨日の夕飯の残りのから揚げです」 「そうなの?いいなぁ。」 もにもにもに… 両耳を揉む手は完全に無視してご飯を頂く。 残り物とはいえ作ってくれることへの感謝、という気持ちで全部食べるようにしているのだが、後ろからずっと飽きることなく耳を触る先輩はいつも私が屋上に着くころにパンを食べ終えていた。 栄養が偏ってそうなのに細身で長身なのが少々気にくわない。 「俺は今日は焼きそばパンだったよ」 「そうですか」 「…瑠璃ちゃん、もうちょっと興味持って?」 こんな日々が一体いつまで続くんだろうと、ぼんやり思いながらも今日のお昼休みも過ぎて行った。
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