【蕾1-1】

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今日のメニューは 茄子と豚肉の味噌炒め 茄子のあげびだし 茄子と茗荷のみそ汁 茄子と胡瓜の漬物(自家製) ゴハンは雑穀米 …………。 そういえばシヨカの実家から茄子を大量に送ってきて怒り狂ってたな。 「どうせだったら、トマト送ってきてよ!」 怒るところそこなのか? そうツッコミつつ、 今日あたり満面の笑顔で大量のトマトをもって帰ってくるのだろう。 シヨカ母は家庭菜園が趣味なのだ。 とりあえずシヨカが作ってくれた料理を平らげた。 素直に美味しい。 料理はいつもシヨカに頼りっぱなしになってしまって、悪いなとは思う。 一緒に棲むようになって、 初めのうちは互いに気をつけあって、 なんでも交代制にしていたのだが、 ひと月もしてくると、 互いの得手不得手がみえてくる。 もともとシヨカは料理が得意なのだ。 今住んでいる部屋も、料理好きのシヨカが、 キッチンは広い所がいい、 と主張して探したものだ。 私も作れないことはない(一応) ただ、自慢するだけあってシヨカの料理の腕前には敵わないのだ。 例えるなら、一流シェフと小学生のレベルだからだ。 なので、料理は潔くシヨカに任せた。 その分、私は洗濯と掃除を担当したのだった。 さて、 夕方のバイトまでに、 私は食べて使った食器を洗い、洗濯をし部屋の掃除を軽く済ませた。 『連絡ノート』に ご馳走様の旨と 帰りの時間を書き留めて、 私はバイト先に足をむけたのだ。 
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