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我慢できずに、欲しくてしかたないのだと、白百合が白状し、いまだ狸寝入りをしている恋人に一応の断りをいれる。
「ホントは寝てないくせに、なに我慢してんだ……ぁっ……ん」
不意打ちのように、油断していた白百合の双丘を強く揉みしだく。
白百合の好きなようにさせていたが、さすがに一人で悦しまれていては、腹が立つというものだ。
それから何度も黒杉を受け入れた内側を指で掻き回して、
「あっ……ゃっ、……やぁん」
そう口で拒みながらも、内側の襞は黒杉の指を逃すまいと吸い付いてくる。
トロリとした黒杉の残滓がいまだ留まる白百合の中は柔らかい。
「クロ、ねぇ……ちょうだい」
さすがに目が覚めた黒杉は、意地悪げに白百合を見上げて、
「自分で出来るだろ?」
「う、ん」
嫌がるわけでもなく、白百合は素直に黒杉の分身を受け入れる。
それほど抵抗感もなく、ゆっくりと質量のある黒杉を奥までのみ込むと、まるで深く味わうように内側が締め上げる。
「んっ……ん、あ……はっ」
騎乗位で腰を振り、気持ち良さげに白百合は黒杉を見下ろす。
下手に女よりも顔の良い白百合を眺めて、黒杉は優越感を覚える。
普段はツンとして人を寄せつけない雰囲気を醸し出す彼が、自分にだけに甘えてくる姿がたまらなく愛おしい。
「クロ、気持ちいい……?」
うっすらと汗ばんだ肌は、花の花弁のように滑らかで、胸の蕾と彼の一部を同時に弄べは、
「あ、あっ……ん、あっ!」
洩れる声をこらえて、悦びの雫をこぼす。
「い……イっちゃう……っ」
上で果てる姿を見るのも快感ではあるが、主導権が始終、白百合ばかりでは面白くない。
しきりに動かす彼の腰を押さえ付けて、
「まだイクなよ」
つながったまま黒杉は身を起こし、白百合を下に体位を変えた。
それから自分のペースで白百合の内側を何度も掻き乱す。
その間に快楽の声をあげようとする白百合にわざと、
「声、出すな」
と、低く耳元で囁く。
もともと安アパートの壁は薄い。
秋の澄んだ空気。寝静まった深夜は思っていた以上に音が響きやすい。
「……っ、……あっ……あっ、はぁっ、はぁ、あんっ!」
素直に洩れる声を我慢して、黒杉の肩に歯を押し当てる。
(いててっ)
快楽を味わう白百合をよそに、黒杉は顔をしかめた。
「あっ、はぁっ、んぁ! あ……っ」
夢中になりすぎて、果てる瞬間に強く噛むクセはなんとかしてほしいものだと、黒杉は涙目になった白百合の、汗ばんだ髪をかきあげた。
「シロってさ、どっちが好きなの?」
おれ?
それとも、セックス?
答えなんてわかっているのに、黒杉は白々しくと訊ねる。
見つめ合って、躊躇しながらも、いまだ繋がっている箇所の熱を、内襞で感じ取りながら、
「クロのが好きなの」
白い肌に紅潮の色彩が映え、白百合はそう白状する。
「――――」
それはどちらも好きなのだと、欲張りな答えだ。
「――そりゃ、反則だろ……」
内心嬉しくなりながらも、白百合の回答に、まんざらでもなかった黒杉は優しく彼の頬にキスを落とした。
そして、彼を悦ばせ、中で幾度も果てた。
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