第一部【匿名希望】第一章【未定】第一話【身分】

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ヴァサゴは実感した。 その能力は、把握の力である。 ヴァサゴはあらゆる事を知っていた。 知り得ないことをこれでもかとだ。 その場に居る全員の名を右から、序列毎に並べるとこうなる。 序列一位【豊穣】のバアル 序列二位【地震】のアガレス 序列三位【把握】のヴァサゴ 序列四位【死霊術】のガミジン 序列五位【治癒】のマルバス 序列六位【盗み】のウァレフォル 序列七位【火炎放射】のアモン 序列八位【狩人】のバルバトス 序列九位【西】のパイモン 序列十位【驚愕】のブエル 序列十一位【秘密】のグシオン 序列十二位【色欲】のシトリー 序列十三位【恋愛】のベレト 「こんなもの見えてもちっとも凄くない」 「いえ、凄いですよ。その証拠に兄様以外誰も名すら知らない様子です」 そうじゃなくて、ガミジンみたいな死んだ人を操ったりそういう派手なものの方が格好良くて羨ましかった。
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