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俺の名前は匿名希望。
18歳のどこにでも居る気弱な男子高校生だ。
そんなどこにでも居る俺には苦手なものが幾つもある。
その1つが目の前で現に起こっていた。
「チッ、シケてやがる」
「親のサイフから盗んででも用意して来いっつったろ篠田?」
「ご、ごめんなさい柳楽君」
「隼人くんキレたらどーすんの?お前に責任取れんの?」
絶賛教室の片隅で行われている虐めだ。
3年間俺はそれを見ていただけで関わろうとはしなかった。
黙認していたというよりは巻き込まれるのが嫌だったから見なかったことにしていた。
他の奴らもそうだ。
自分は巻き込まれるのが嫌だから関わらないようにする。
それが正しいとは思えないし、だから、そんな自分が嫌だった。
「何見てんだよ山田?」
「え、いや」
気にしたらいけない。
そう思いながら過ごす。
そんな時だった。
教室が光り輝く。
俺は、俺達はーー
異世界に揃って全員転生してしまった。
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