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下駄の音
あれは、私がまだ中学生だった頃の出来事です。
古い小さな平屋の借家に母と二人で住んでいました。
夜中にふと目が覚めると、外からカランコロンと下駄の音が聞こえてきました。
その音は、遠くから近付いて来るように感じました。
「カラン、コロン」
「カラン、コロン」
段々と音が大きくなりました。
「カラン、コロン」
「カラン・・・」
その音は私の寝ている部屋の前で止まりました。
雨戸を閉めて寝ていたので、外の様子はわかりません。
私は、怖くて恐くて、布団を頭から被り震えながら、その音が去るのを待ちました。
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