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ざく、ざく、ざく……
真っ白な銀世界につけられた足あと。
一歩一歩、踏みしめるように歩く。
自分の道を指し示すかのように、
迷わないように、ちゃんと付いて来れるように。
「………」
本当に付いて来れるだろうか。
しんしんしんと降り積もる雪は、
つけた足あとを消してしまわないだろうか?
振り返りたい。
でも、振り返らない。
しっかりと前を向いて、進まなくてはならない。
立ち止まっても、膝をついても、前に行かなくてはならない。
ちゃんと付いて来れると信じてる。
ちゃんと付いて来れると信じなくてはならない。
ざくざくと足あとを追いかけて、
私に追いついて、ともに歩いて、抜かしていきなさい。
君が新しい足あとをつけるその日まで、
私がしっかりと足あとをつけ、道を示そう。
私は、君を待っている。
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