43人が本棚に入れています
本棚に追加
トーク画面に並ぶ同じ四文字の言葉を目にした瞬間、ゾクリと背筋に悪寒が走った。
かえして。
このスマホの事を言っているのだろうか?
もしかしたら盗難品? だとしたらリストカットしたのは盗まれた側? 盗んだ側?
きっと元々の持ち主宛に送られてきていたメッセージなのだろうが、こうして今スマホを手にした祥子たちに向けられているようにも思えてくる。
そう思うとぞっとしなかった。
仮に盗難品ではなかったとしても、何らかの事情を抱えているとしか思えない。
だから変に安い値段で売られていたのかも。
「絶対やべえよ、これ」
「返品しよう。気持ち悪い」
祥子は半ば泣きべそを掻きながら、自分のひび割れたスマホを手に取った。購入先のオンライン売買サービスにアクセスし、ログインボタンを押す。しかし――
「ログインできないんだけど」
IDもパスワードも変えていないはずなのに、何度やり直しても「ID (メールアドレス)またはパスワードが正しくありません」というエラーメッセージが表示されるだけだった。
最初のコメントを投稿しよう!