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〜溺甘ネジ〜
ある日、ある時の二人の日常。
「俺の千幸が目に入れても痛くないくらい可愛いんだが?」
「また、そんなこと言って。本当に一度眼科に行ってきて」
「そう言うから検査した。左右とも1.5ある」
「えっ? 本当に行ったんですか?」
「俺の言うこと信じないから」
「そういう意味じゃないって。えっと、それは脳内視力として少し冗談は入ってたんですけど」
目を見開きまじまじと相手を見つめると、恋人はうんと頷いた。
「わかってる」
「わかってるんですか? なら、なんで……。えっと、翔さん、視力いいですね」
「家系的にいいらしいからな。千幸がよく見えていい」
「そこじゃない…………」
「じゃあ、千幸のあのときのトロける顔とか、そそる」
「あの時? ……って、なんで今それを」
「だって、千幸と二人きりでいてムラムラしないとかありえないから」
「ああぁ〜〜。もうっ!!」
視力の話からどうしてこうなった?
はむっと耳を食まれて、恋人の溺愛とネジの緩み具合に今日も千幸は振り回されながらもゆるりと弛緩した。
ただただ、溺甘、変甘。ネジが緩みながらも愛を育むお話。
はじまり、はじまり。
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