すごろく

4/4
前へ
/4ページ
次へ
4・ 「もう、面白くない!すごろく、僕やらない!」  みすぼらしい青年は凛々しくなり、老人はキャデラックに乗り、葉巻をくわえ笑っている。  俺は、ボロボロの囚人服でガキを眺めた。  あのガキは、すごろく盤をグチャグチャにして部屋を出ていきやがった!  俺達3人は目が舞う様に外に投げ出された。  そして俺は目が覚めたんだ。  俺は、何故か5歳のガキになっていた。  部屋を見渡すと先程の部屋。  当時、俺が住んでいた実家だ。  テーブルには、すごろく盤。  そう言えば、俺の名前は加藤良太だったんだ。  あの、ガキは30年前の俺だったって事?  投げられた、すごろく盤のサイコロの数字は3で止まっていた。  3つ先に自分の足で進んでみた。 【30年前に戻る。】  俺のコマは30年前に戻ってしまったんだ。  今から俺の人生やり直しだ。 あのガキを見てたら、ろくな大人になれない……もう一度、ちゃんとした人生を生きてみるか……  俺は5歳から、人生のやり直しを自分に誓った。  これからは、しっかり自分の足で歩いて行くぞ!  俺の足跡はこれから始まる。        ーおわりー
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

27人が本棚に入れています
本棚に追加